気候変動の経済学 / 日銀 金研ニュースレター

ニュースレター:日本銀行金融研究所

日本銀行金融研究所の金研ニュースレターで気候変動の経済学シリーズがでています。現在、第1号 気候変動とマクロ経済の関係を捉える:DICEモデル、第2号 気候変動と最適課税 の2つが既発表、5号まで続くそうです。非常に理解しやすいと思います。

第1号 気候変動とマクロ経済の関係を捉える:DICEモデル

・DICEモデルは気候変動と経済の相互依存関係を定量的に理解するのに有益。
・非常にシンプルは数理モデルで利便性が高いが問題点も指摘。
・技術進歩のペースが外生的に与えられており、政策による技術進歩への影響が表現できていない。

第2号 気候変動と最適課税

負の外部性がある場合にはそれがもたらす社会厚生上のコストに見合う大きさの課税を行うことで社会厚生を最大化できる。

・Golosovらのモデルは非常に明快な形で最適課税を示しているが単純化されすぎている。
・技術進歩がもたらす効果が考慮されていない。

第3号は、気候変動と技術進歩 だそうです。

 

IPCCの AR6 WGI(4000ページ近い)でmanabeで検索するとたくさんヒットします。
The Nobel Prize in Physics 2021をみると、ManabeさんのPrize shareは1/4となっています。3人の場合は、awarding committeeが配分を決めるそうです。

 

2021/10/15 第3号、第4号追加

このシリーズの目的は、日銀が開始する「気候変動対応を支援するための資金供給」をサポートするための分析なのでしょう。

2021/10/22 第5号追加 実証分析編です。

下の青の部分、そうなんですかと感じた部分です。

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出所の論文は以下です

Extreme Weather and the Macroeconomy

https://peeps.unet.brandeis.edu/~schoenle/research/The_Expectations_Channel_of_Climate_Change.pdf