「上場企業のコーポレートガバナンスの取組と効果に関する調査」調査結果報告書の公表 / 東証

www.jpx.co.jp

HRガバナンス・リーダーズ東証の委託を受けて調査したものです。アンケートの回答の分析と他社に参考となるようなプラクティスの紹介となるインタビューの二つの構成となっています。138ページの報告書です。

 

取締役会への情報の流れを管理することが重要と考えており、アンケートでは取締役会の運用の改善・充実、取締役会の実効性評価、委員会事務局の運営を中心に見ていきました。

インタビューでは、INPEX野村不動産HD、電気・精密業A社、三井物産なんかいいなあと感じました。

丸井さんとか、エーザイさんとかいいんですけど食傷気味です。

 

日米欧における低金利定着のメカニズム / GPIF

GPIFさんが、世界的な低金利環境を発生・定着させているメカニズムに関する情報提供を募集し、整理したうえで紹介したものだそうです。

https://www.gpif.go.jp/investment/AJ-202111.pdf

・粘着質な低金利が短期間のうちに終わることはないと考えられる→当面は25%ずつのアロケーションは継続?

・構造的な転換点がどこにあるのか探っていく必要がある→ お願いします。アロケーションを変更したときは転換点を過ぎたときと判断します。

 

情報提供元一覧がありますが、載っていない運用会社や証券会社のトップは、なんで情報提供していないの?と担当者を責めたりはしないんでしょうかね。

 

INPEX

2021/11/22,組織改変および関連人事についてをリリースしています。

組織改編の中で、水素・CCUS事業開発室を水素・CCUS事業開発本部に改編し、傘下にプロジェクト推進ユニットと技術開発ユニットを設置するそうです。

INPEXさんは2021年1月に「今後の事業展開 ~2050ネットゼロカーボン社会に向けて~」を発表され、CCUSの推進、水素事業の展開を図っていくため「水素・CCUS事業開発室」を2021年3月に社長直属の組織として新設されました。1年も経過しない段階で、本部となっています。本気度がでている動きだと感じています。

 

分厚い「石油の帝国」を読んで、2017年ぐらいからINPEXさんの動きをウォッチしています。ガスにシフトすると宣言されたときは、良かったと思っていたんですが、世の中がガスもだんだん悪者扱いするようになり、INPEXさんも大変だなと思っています。

 

本の感想:「イノベーションの経営学」

2004年10月に発行された古い本、「イノベーション経営学」を読み直しました。2001年に発行された ”Managing Inovation: Integrating Technological, Market and Organizational Change" の第2版の翻訳です。

f:id:MMikio:20211121223013p:plain

11/8から読み始め、21日まで読み終わるのに2週間かかりました。前回読んだ時も結構線を引いていましたが、今回も多くの気づきがありました。いい本だと思います。
・組織文化=ウチのやり方
・必要なのは組織の全体設計と企業内プロセスを抜本的に再考すること と書かかれており、これDXじゃん
イノベーションをマネージすることを学習する
・表13.1にイノベーションマネジメント能力を監査するプロセスを始めるにあたりカギとなる設問のリストアップがあります。参考にします。

 

ARMの紹介が載っていました。Appleが設立時に関与していたんですね。

f:id:MMikio:20211121223611p:plain

英語版は2020年に第7版が発行されており、長く読まれている本みたいです。Amazonの試し読みで章立てをみると、Digitalのことがより詳しく書かれていそう、 Creating Social Valueという章があり、たいへん興味がありますが、さすがに英語で約600ページ、通読で終わってしまいます。約8000円、買うには少し躊躇する金額です。とりあえずカートには入れておきました。

オープンハウスのTCFD提言に基づく情報開示

大和総研さんが、

TCFD提言への対応の困難さを紐解く ~気候データの「森」で迷わぬために~

TCFD提言への対応の困難さを紐解く 2021年11月19日 | 大和総研 | 天間 崇文

を出しています。シナリオ分析など企業担当者の苦労が書かれています。

気象庁とCCKP(Climate Change Knowledge Portal)を比べると結構予測値が異なりますね。 

 

適時開示情報閲覧サービスでTCFDでキーワード検索する(最大1か月間)と、オープンハウス(3288)がヒットします。同社はプライム市場を選択するとリリースしています。

https://openhouse-group.co.jp/ir/upload_file/tdnrelease/3288_20211112434127_P01_.pdf

以下には2018年度からのデータが掲載されています。

環境保全|サステナビリティ・ESGの取り組み|企業情報|オープンハウスグループ

 

削減目標に

2030 年 Scope1,2  46%削減(原単位、2018 年度比) とあります。総量ではなく原単位(分母は事業所面積当たり?)です。できれば総量の方がいいが、2050年にはネットゼロを目標としているのでまあいいか。Scope3の目標設定検討中。高気密高断熱でパネル・蓄電池を装備しても(コスト高)電力を買う必要あるので、なかなか難しいでしょうね。

Scope3の約75%を占める販売した住宅の電力ガス消費に伴うCo2排出、これを低減することが必要だが、狭い家では十分なパネルを設置することができない、コストを転嫁しにくい、財務にマイナス影響(絶対値10億円以上50億円未満)としています。

分析、開示は1回目としては十分だと思います。

 

天然ガス・LNG最新動向 -欧州発ガス・スポットLNG高騰からの教訓と ネットゼロエミッションへのミッシングリンク-/JOGMEC

JOGMECの11月の海外石油天然ガス動向ブリーフィング資料です

2021年11月 海外石油天然ガス動向ブリーフィング(オンライン開催)のご案内|JOGMEC石油・天然ガス資源情報ウェブサイト

3つある内の、

天然ガスLNG最新動向 ―欧州発ガス・スポットLNG高騰からの教訓とネットゼロエミッションへのミッシングリンク

102ページあります、内容は盛りだくさんですが見る価値はあると思います。

内容は以下

f:id:MMikio:20211119205322p:plain

最後のページ、おわりに記載されている文章を以下に掲載しておきます。

・2030年、2050年断面のエネルギーバランスを示した研究は多いが、そこに至るまでの具体的なプロセスと、いったい私たちは何を失わなければならないのか、何を変えなければならないのか、何がベストなプロセスなのかを示した研究は多くない。
・これまで必死に守ってきたエネルギーセキュリティーが低下してしまったり、エネルギー価格が急騰してしまう可能性を極小化しながら、NZE2050に到着するまでのブリッジエネルギーであるガス・LNGをどのようにうまく利用すべきか、また、ガス・LNG産業からの温暖化ガス排出をいかに抑制していくのか、そのミッシングリンクを見つけるためのかつてない艱難の道程を、我々は既に旅しているのである。

 

艱難、かんなん 初めての言葉でした。

諸外国のエネルギー政策動向に関する調査報告書 / 経産省委託調査

経済産業省資源エネルギー庁委託調査の

令和2年度燃料安定供給対策に関する調査(諸外国のエネルギー政策動向及び国際エネルギー統計、エネルギー研究技術等調査事業)諸外国のエネルギー政策動向に関する調査報告書

が公表されています。

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2020FY/000447.pdf

2885ページ、ダウンロードすると100287KBと表示

スタートは中国から45ページ。ここ数年の動きがまとまって記載されていますので重宝します。

とりあえず中国のみ目を通しました。86か国(EUとして1つカウント)調査されています。