第2回 公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ(2021年10月12日) / 日証協
第2回が2021年10月12日に開催、資料が公開されています。
https://www.jsda.or.jp/about/kaigi/jisyukisei/gijigaiyou/files/20211012_koukaikakaku_siryou.pdf
第1回の議論に関する意見や検討すべき課題や改善策に関する意見が掲載されています。個々の委員の意見など非常に細かく開示されています。
P19の下段に、”機関投資家が小型銘柄に投資しない理由は、ベンチマークを TOPIX とすることが多く、TOPIX にマザーズ上場銘柄が含まれていないからである。仮にある企業がマザーズから東証一部に指定替えされた場合、その企業の特徴が変わらなくても機関投資家の投資対象として入るだろう。つまり、機関投資家は TOPIX をベンチマークとする以上、マザーズ上場銘柄の IPO に参加しないことが正しい行動であり、仮に参加したとしても短期的に売り切ることがリスクコントロールの観点から適切な投資行動となる。”とあります。マザーズやIPOに投資する機関投資家はいますがその規模はそれほど大きくはないはずです。また、IPOに借りに参加しても短期的に売り切ることがある、これも一部やっているのでしょう。つも切りですね。
P27、”2割前後の IPO ディスカウントを実際に要求するのは機関投資家であって、証券会社の慣行でもルールでもない。そして、かかる IPO ディスカウントも、対象 IPO が人気化して需給バランスが引き締まれば、機関投資家も IPO ディスカウントを GIVE UP してでも参加してくる構図である。” 機関投資家が要求するんですね、知りませんでした。IPOディスカウントがあるから短期的な売り切りが発生するんでしょう。
非常に細かく丁寧な説明も記載されているので大変勉強になりました。
2021/10/26 第2回の議事概要
https://www.jsda.or.jp/about/kaigi/jisyukisei/gijigaiyou/files/20211012_koukaikakaku_gijigaiyou.pdf
いくつか抜粋
・どうすれば小型案件において共同主幹事体制を可能にし、証券会社間の競争原理を働かせることができるかというと、主幹事業務への参入障壁を下げ、プレーヤーを増やすことである。その参入障壁とは、証券会社による上場推薦審査機能の提供であり、現状、その機能を有する主な証券会社は本ワーキング・グループの委員を務める証券会社6社である。
・海外企業からは「なぜ、他の主要国と異なり日本の場合は、取引所審査の前に推薦証券による審査が存在するのか」と聞かれる。発行体が早い段階で主幹事を選任しなければならない理由、換言すると日本における上場までの期間が長い理由のうち最大の要因
は、証券会社による上場推薦審査と取引所による上場審査が併存することであり、この審査プロセスを他の主要国と同様に取引所審査に一本化すれば、より上場が近いタイミングで主幹事を選定でき、また、上場推薦審査機能のない証券会社も主幹事業務に参入できるため、小型案件においても、より証券会社間の競争原理が機能するようになる。