トランジション・ファイナンスに関する鉄鋼分野における技術ロードマップ / 経済産業省

経済産業分野におけるトランジションファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会が、「トランジションファイナンス」に関する鉄鋼分野における技術ロードマップを公表しました。

https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211027002/20211027002-1.pdf

この検討会の目的は、トランジションファイナンスの普及・推進に向けて、トランジションファイナンスを検討する際のトランジション戦略の策定やトランジションへの取組・戦略の適格性を判断するために参照し得る分野別のロードマップを策定する、とあります。金融機関の判断をサポートするものです。

一方で、同じ経産省産業構造審議会>グリーンイノベーションプロジェクト部会>エネルギー構造転換分野ワーキンググループにもいい資料があります。

第5回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 エネルギー構造転換分野ワーキンググループ(METI/経済産業省)

ここに資料3「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトの研究開発・社会実装の方向性があります。それと参考資料1と2の大学の先生の意見も参考になります。

参考資料1の植田先生:

・鉄のリサイクルを繰り返すと除去困難な不純物の濃縮が問題となるので完全なスクラップ-電炉法による製鉄への移行は困難で鉄鋼石由来の鉄の供給も必要
・銑鉄1トン当たりコークス300㎏、大幅な削減は無理
・水素還元は吸熱反応で外熱が必要であり、高速化・大規模化に課題がある
参考資料2の柏谷先生:
・中国は巨額の資金を投入し水素製鉄プロセスの実現に向けて動く。日本は民間ベースで開発しても全く歯が立たないのは火をみるよりも明らか
・製鉄の大変革期。国主導で水素製鉄株式会社を設立し軌道に乗れば民間に払い下げ(八幡製鉄所

 

グリーンイノベーションプロジェクト部会には、エネルギー構造転換分野ワーキンググループ、産業構造転換分野WG、グリーン電力の普及促進分野WGがあり、産業構造転換分野WGの10/26の資料には、

「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」、「電動車等省エネ化のための車載コンピュータシミュレーション技術の開発」など興味深いものが沢山あります。