Green Bond のGreenium(2020年下期)とレポーティング
Greenium
久しぶりにClimate BondsのGreen Bond Pricingをみました。2020年下半期のデータです。2021年上半期のは来週ぐらいに公表されるそうです。
https://www.climatebonds.net/files/reports/cbi_pricing_h2_2020_01e.pdf
EUR建てでは28のうち21,ドル建てでは、18のうち11の債券がGreeniumだそうです。
少しプレミアムだったみたいです。
ドイツは、Twin Bond Structureとして通常のvanilla と同時にGreen Bond を発行しています。greeniumでプライシングされるみたいでコンスタントにvanillaよりも低い利回りを維持しています。いつでもvanillaに交換できるみたいです。(知らなかった)。Volatilityも低いということが示されています。
GreenBondのETF、Lyxor Green Bond DR UCITS ETFが資産高トップで2017年2月に5百万ユーロで始まり2020年末では約550百万ユーロにまで増えています。
Reporting
発行体はレポーティングをきっちりして、投資家はそれをきちんと評価しましょうということですが、あまりレポーティングをみていません。ということで他力本願ですが、Climate Bondsさんが、”Post Issuance Reporting in the Green Bond Market 2021” を出されていますのでそれをみていきます。
https://www.climatebonds.net/files/reports/cbi_post_issuance_2021_02f.pdf
インパクトを公表しているボンド/発行体は資金使途を公表しているボンド/発行体よりも少し少ないみたいです。
発行体ごとにレポーティングのクオリティスコアをつけています。12個の変数で計算。変数は、以下を考慮して決めているみたいです。
・Communicating commitment at issuance and reporting in line with this
・Project-level disclosure, at and post-issuance
・External reviews
スコア25(トップ)は、5発行体でその中に大林組が入っています。日本の発行体の平均スコアは19.3です。
大林組のグリーンボンドレポーティング(2021年6月30日)は2ページで、プロジェクトごとへの資金充当額、環境改善効果(インパクト、CO2削減効果)が記載されています。またDNVの定期レビューも同時に開示されています。
充当予定額と実際の充当額は一致、インパクトを開示、DNVの外部のレビューもあるということでスコア25が取れていると考えられます。