監査役 / Kansayaku

 年金シニアプラン総合研究機構さんが、「監査役の英文呼称と日本のコーポレートガバナンス」の調査研究レポートを出されています。

https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r03_04.pdf

 著者は、”コーポレートガバナンス向上の目的が最終的には「中長期的な企業価値の向上」だとしても、適切な経営管理リスク管理を行うことがその大前提だとするならば、独立取締役よりも経営者の不正を防止できる法的権限を持つ監査役に、海外投資家はもっと大きな注目をすべきであると強調したい。”と書かれています。

 監査役の沿革が1890年から書かれています。商法改正で監査役の機能強化の歴史がわかります。またCFAの考察やACGAの論文での監査役監査役会の理解は間違っているとしています。

 あとがきにあるように社内監査役は孤独だと、たまに会うのは内部監査室長か社外監査役ぐらいだそうです。確かに社内の人にとっては自ら監査役のところに会いに行くことはないですね。昔、旬刊商事法務を貸してほしいと監査室に入った時も監査役、秘書のような方以外誰もいませんでした。

 コーポレートガバナンスコード改訂で監査役も投資家と面談に臨むことを基本とすべきと書かれたことで、監査役というものを海外投資家に印象付けるチャンスだと考えています。

 最後に、私案:海外投資家から日本企業にコーポレートガバナンスでエンゲージメントする例文を記載されています。質問項目が沢山あり、それぞれ的を得たものだと思います。参考にします。