統合報告書 / JR九州グループ

九州旅客鉄道の統合報告書2021をみています。

https://www.jrkyushu.co.jp/company/ir/library/integrated_report/pdf/2021_ir_J_00.pdf

〇2020年との相違点

・価値創造の歴史(P5)、関連事業のレールが鉄道事業の上に変更。正解です。

・価値創造プロセスを充実(p8,9)

・ESG経営(P10)追加、マテリアティ(P11)に移動

・社長メッセージ、より長期の話、TCFDの話に移行(写真もいいと思います)

・TCFD(P25,26)追加

CFOメッセージ、あまり隅々まで読まないのでP29の右下の図なんかいいです。

・P34のスキルセット、会長に鉄道、ESGに●付けましたね。

・監査等委員との対談追加、必要なアイテムだと思います。

・P42に政策保有株式、ほとんど減少していません。

日興リサーチセンターさんのレポートにあるようにJR九州さんは持ち合いを強化されていますから政策保有株式の動きには注目です。

【Short Review 】JR4社による株式持ち合い強化 | 日興リサーチセンター

 

前年よりも改善点が多く良い統合報告書になっていると感じています。

個人的にはP11のESG戦略委員会、主な議題の内容からみるとまだESGを後から付けてるだけで戦略等とのインテグレーションがいまいちという気がします。取締役会の諮問委員会としてサステナビリティ委員会(?)をつくり、そこでありたい姿にむけて議論していただけるともっと良いものができるのではと思います。

また、あるべき姿に、九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループとあるので、九州以外の日本、アジアについての投資などの現状の数字なんかあればいいと思いました(探せてないのかもしれませんが)

価値創造の源泉のひとつに「人づくり(人材活用・働きがい)」があります。P59の従業員意識調査のレーダーチャートをみると、「従業員にとっての魅力」、「市場での発展」、「仕事の量の負担感」、「仕事のマンネリ感」など満足感が低い結果となっています。鉄道事業という特性からかもしれませんが、働きがいの創出と書かれているように会社として問題意識は持って対応はされているみたいです。(事業別でレーダーチャートを見てみたいですね)しかしESGデータブックの人づくり・価値創造の指標とその数値をみてもぱっとしません。従業員の意識を変えるのはリーダーの仕事です。